レインボー of 森の時間



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レインボー



レインボーカレーという
カレーがある。

去年出会った、
インドの小さな村の長老のような
不思議な佇まいの人がつくるカレーだ。

さまざまなスパイス、旬の野菜、
その時野山にある野草なども加えるから

つくる度に材料、調合、調理が
気ままに変わるので
同じ味にならないという。

毎回違う味だから
七色のカレーという意味で
レインボーカレーなのかと訊ねると

炒めて煮込んで寝かせて
つくるのに3日かかる。
ようやく完成したと思ったら
おいしくてあっという間に無くなるから

雨上がりの空に一瞬架かって
いつのまにか消える虹のよう

だからレインボーカレーなのだという。

まだ食べさせてもらったことはないけれど
時々そのカレーのことを思い出しては
レインボーカレーという愉しい言葉を
心の舌の上で転がしてみたりする。

そしてふと
自分が生きているこの時間や
ひとりの人間が生きる時間は
長いようで

最後に振り返った時には
一瞬架かった虹のようだったと
感じるのかもしれないと思ったりする。

人間は、ほんの少しだけ地球の上で生きている。
そのほんの少しの時間を何に使うか。

そう本に書いていた人がいた。

2013年がはじまった。
このほんの少しの時間を何に使うか。

自分の虹を
自分らしい色に
大事に輝かせよう。










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